FXで借金になる場合 〜証拠金の口座がマイナスになるとき〜

FXの仕組み」で説明したように、(例えば、1ドル82円の場合に)FX会社から82万円(1万ドル)借りようとも、 あるいは820万円(10万ドル)借りようとも、決済(反対売買)すれば借りたお金は返せるのですから、恐れることはありません。また、損失が発生した場合には、自分が預けた証拠金の範囲内で損切り(損失を確定させる決済)すれば、 FX会社に対して借金を負うことはありません。さらに、FX会社には強制ロスカット(強制的な損切り)の仕組みがあり、自分で損切りしなくても、証拠金が一定の割合まで減ると、証拠金の範囲内で自動的に損切りされるので、 システム上は、原則として口座がマイナス(借金)になることはありません。

しかし、FXというのは、借金にならないことが保証されているわけではありません。

株や為替の売買というのは、買い手と売り手の両方がそろって取引が成立します。売ってくれる人がいるから「新規で」買えるわけだし、 今度はそれを買ってくれる人がいるから「決済で」売れるわけです。ですから、決済(反対売買)すれば借りたお金は返せるというものの、もし買い手や売り手が不在で決済できなかったら、借金にならないという原則は崩れてしまうのです。

また、強制ロスカットは、証拠金が一定の割合まで減ったときに発せられる注文ですが、これは成り行き注文であり、その時の値段で約定(損切り)することを保証するものではありません。例えば、売りたい人が100人いるのに買いたい人が10人しかいない、 売り注文が100万円分あるのに買い注文が10万円分しかないような場合には、その時の値段で売買は成立しませんから、売買が成立するところまで値段が飛ぶ(値段が滑る)ことになります。何らかの原因で、このような状況(需給関係が極端に崩れる)が急激に発生した場合には、 為替相場は値崩れを起こし、売買が成立する値段まで一気に飛んでしまうので、証拠金の範囲内で損切りされるとは限りません。 (例えば、100円だったものは、99円、98円・・・と値段が下がって行くものですが、大事件が発生して突発的に大量の売り注文が出されると、買い手が不足して値段が付きません。すると、次の瞬間、70円になってしまうということが起こり得るのです。 本来の予定では90円で強制ロスカットされるはずだった場合でも、70円で強制ロスカットされてしまうので、口座がマイナスになり大きな借金となってしまうのです。)

このように、強制ロスカットの仕組みがあれば、損失が証拠金の範囲を超えることは滅多にありませんが、皆無ではありません。あまりにも相場が急変した場合、自動的にロスカット注文が出されても注文の処理が間に合わず、 損失が証拠金の範囲を超えて拡大し、借金の範囲(口座がマイナス)に突入する可能性もあります。 また、土日や年始は為替市場は休みですが、休日中に相場に影響を及ぼす事件等があり、そのため、休み明けにあまりにも休日前とかけ離れた値段で相場が始まったような場合にも、 当初の強制ロスカットの値段を超えて決済されてしまえば、同様に予想外の損失を被り借金になる可能性があります。 あるいは、不意なシステム障害(サーバーダウン等)が発生し、注文が処理できない事件が発生しないとも限りません。

ですから、FXは原則として借金にならない仕組みになっているとはいえ、為替相場に影響を与えるような数年、数十年に一度の大事件(国家の破綻、戦争、政変、天災地変、政府の為替介入など)に巻き込まれると大きな借金を背負うリスクもあるのです。

(【参考】 このような場合には、お客さんの負債を回収できずにFX会社自身が経営破綻(倒産)してしまう場合もあります。また、お客さんの場合も、追証・債務の返済ができない場合には、 状況により自己破産が認められる場合があります。なお、このような借金リスクは、FXに限らず、株式の信用取引、日経225先物取引、オプション取引等でも起こり得ることです。)

このようなリスクを回避するためには、

@ マイナー通貨を避ける。(市場参加者の少ない通貨、ボラティリティー(価格変動)の大きい通貨を避ける。) 【参考】世界の取引高: 1位 ユーロ/米ドル、2位 米ドル/円 (国内1位: 米ドル/円)
A 為替介入などの怪しい噂のある通貨を避ける。
B レバレッジを低く抑える。
C 休日をまたいで建て玉(ポジション)を持ち越さない。(休日の前に決済する。)
D 追証や強制ロスカットになる前に損切りできるように、損切りの逆指値注文(ストップ)を入れておく。(逆指値の幅はできるだけ小さい(ポジションに近い)方が良い。)

などの対策をして、適切に資金管理をすることです。


 FXのレバレッジとは? 〜レバレッジで損失も倍になるのか?〜







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